2003 12/25
イラスト 市川笙子さま
文 マリ子

契 り



もれる吐息が心を溶かす。
艶やかで瑞々しい唇。
微かに触れる舌先。
どれほど貪ってもまだ足りない。
欲しいと思う欲望のままに動く。

触れられる度に感覚が研(と)がれてゆく…
愛に渇いているわけではない。
満ち足りていながら灼熱を求める。
柔らかくめくり上げられながら深い侵入を許す。
絡み合い、どこからが自分なのかわからなくなるほどに熱い。


冷たく震えていた肌が薔薇色に香る。
それは愛撫を加えると内側から輝きを増す。
その見事なさまは男を狂わす。

女であることを教えられる。
羞恥を超える快感。波のように寄せてくる疼き。
すべておまえがもたらすもの…


崇高な魂を愛している。
清廉な行動を愛している。
だが何よりも
女としてどこまでも美しいおまえを愛している。

ありのままの自分でいられる心地よさ。
愛しい者を胸に抱く。
女に生まれた幸せ。
いつまでもこうしておまえをからだの中に感じていたい。
































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