2003 11/3
イラスト 市川笙子さま
文 マリ子
朋 友
笙子さまからアンドレとアランのツーショットをいただきました。
ふと追いかける視線の先に、
何気ない言葉の端に、
見える、互いの心…
同じ想いを抱き、同じものを見つめる、
その瞳の中に映る自分の心…
若い瞳の中にある灼熱と戸惑い…
自分の心に躊躇っている。
囚われてみろ
生涯そこから抜け出せなくなる。
静かな瞳にたたえられる強い光。
何者にも揺るがない信念と自負がある。
どれだけのものを辿ってきたのだ。
男であるために…
競う相手でありながら
同じものを見つめる一瞬を共有するだけで
男は同志になれる。
想いは一つだから…
女をどこまでも護りたい。
そのためには命もいらない。
だが隙は見せない。
男だから、
闘う者だから。
強い想いは形を変えて投影される。
憧れ、嫉妬、諦念、憐憫と自嘲、
映し出される自己を見ながら
それでも愛することはやめられない…
誰にもわたさない。
男は生涯をかけて追い求め、手に入れた。
そして
沈黙の中に想いを封じ込め
彼も、一生をかけた。